※本記事にはプロモーション(広告リンク)を含みます。統計は警察庁の公表資料、海外事例は2026年9月公表のAnthropicの調査報告をもとにしています。会話例は典型的な手口を再現した創作です。
「毎晩、おやすみのメッセージをくれる人がいる」
40代で婚活を始めた人にとって、それは本当にうれしいことです。仕事の愚痴も、子どものことも、否定せずに聞いてくれる。返信はいつも早くて、言葉はいつもやさしい。
——ただ、自然な会話ややさしい言葉だけで、相手を信用してよいとは限りません。AIで架空の人物を演じ、関係を深めようとする仕組みも報告されています。
2026年9月、AnthropicがAIの架空プロフィールで利用者と会話し、課金へ誘導する出会い系アプリ群の調査結果を公表しました。日本でも、ロマンス詐欺の被害額は546.4億円(令和7年)。認知件数の約4分の3を40〜60代が占めています。
この記事では、AIでロマンス詐欺の何が変わったのか、そして相手とのやり取りで気をつけたい注意サインと相談先を、40代の婚活目線でまとめました。
この記事の結論(先に言います)
- 文章・写真・ビデオ通話だけで、相手の身元や目的を確認できるとは限らない
- 送金・投資への入金・不自然な課金要求は、立ち止まるべき重要なサイン
- 信頼関係を確かめられていない相手へ送金しない。迷ったら支払う前に相談する
すでに送金した方・今すぐ相談したい方へ:#9110・188と、送金後の連絡先はこちら
数字で見るロマンス詐欺——40代〜60代が約76%

警察庁が2026年6月5日に公表した確定値によると、令和7年(2025年)のSNS型ロマンス詐欺は、
- 認知件数 5,645件(前年比 +47.6%)
- 被害額 546.4億円(前年比 +36.3%)
- 認知1件あたりの被害額 約968万円(被害総額を認知件数で割った概算)
という結果でした。1日あたりにすると約15件。今日もどこかで、1件あたり1,000万円近いお金が消えている計算です。
そして、このサイトの読者にとって見過ごせないのが次の数字です。
- 認知件数のうち40〜60代が75.6%
- 最初の接触ツールはマッチングアプリが32.7%で最多(次いでInstagram 22.8%、Facebook 18.6%)
- 最初の接触手段はダイレクトメッセージが92.8%
- 暗号資産送信型の認知件数が前年比 +177.0%と急増
※40〜60代の割合は、警察庁資料の男女別・年代別認知件数を合算して算出(4,265件÷5,645件)。これらはSNS型ロマンス詐欺全体の統計で、AI利用事案に限定した数字ではありません。出典資料(14〜17ページ)
つまり、「40代〜60代」が「マッチングアプリ」で出会った相手に「メッセージ」でだまされる——これがロマンス詐欺のど真ん中です。婚活をしているあなたは、まさにその場所に立っています。
「自分は大丈夫」と思った方ほど、この先を読んでください。今の詐欺は、あなたが知っている「昔の見分け方」が効かないところまで来ています。
2026年9月の報告で明らかになった「AIが恋人を演じるアプリ」
AI企業Anthropicは、2026年9月の報告で、中国を拠点とする開発事業者による20超の出会い系アプリの仕組みを説明しています。
- 2026年4月の2週間の観測で、4,700超のAI人格が少なくとも2万5,000人と会話していた。
- アプリは人間同士のサービスを装いながら、候補一覧にAIと有償で働く実在の人々を約3対1で混在させていた。
- 実在の人々はライブのビデオ通話やSNSのフォローなどを担い、アプリを本物だと思わせる役割を果たしていた。
- 利用者は、メッセージやマッチングを続けるためにアプリ内コインを購入する仕組みに誘導されていた。
報告上の2万5,000人はAI人格と会話した人数であり、金銭被害を受けた人数を示すものではありません。Anthropicは関連アカウントを停止し、AppleとGoogleにも調査情報を共有したとしています。
出典:Anthropic「Detecting and countering misuse of AI: September 2026」GTG-15001(英語)
この事例で説明されている主な対象は米国の利用者です。日本の婚活アプリ全般で同じ運用が行われていることを示す報告ではありません。
実在する人と通話できても、それだけでアプリ全体や別の相手まで信用できるとは限りません。
「同じAIプロフィールを通話時だけ人間が引き継いだ」とする一律の運用は、この資料からは確認できません。大切なのは、人間とAIを組み合わせて利用者の警戒心を下げる仕組みが報告されていることです。
AIで、ロマンス詐欺の「何が」変わったのか

これまでロマンス詐欺を見抜くコツとして、よく言われてきたのが「日本語が不自然」「写真がどこかおかしい」「ビデオ通話を嫌がる」の3つでした。AIや人間を組み合わせた運用によって、こうした特徴だけでは判断しにくくなっています。
① 文章:日本語が自然になった
以前の国際ロマンス詐欺は、翻訳ソフトを通した片言の日本語や、妙に堅い敬語がひとつの目印でした。生成AIが自然な文章づくりを補助できるため、不自然な日本語だけを目印にするのは難しくなっています。
相手の年齢や性格に合わせて、絵文字の量や言葉づかいまで調整できます。「文章が自然だから日本人だろう」は、もう根拠になりません。
② 数:1人で何百人とも同時にやり取りできる
昔の詐欺師は、1人が同時に口説ける人数に限りがありました。今はAIが会話の大部分を回し、人間は「ここぞ」という場面だけ担当します。
やり取りを自動化すると、多数の相手との会話を継続しやすくなります。ただし、返信が早いことや丁寧な文章は、AIや詐欺の証拠にはなりません。
③ 顔:写真も動画も作れる
画像生成AIを使えば、この世に存在しない美男美女の写真を何枚でも作れます。実在しない人物なので、画像検索をしても引っかからないことがあります。
さらに、有名人や一般人の顔を使ったなりすまし動画(ディープフェイク)も年々精度が上がっています。「写真が1枚しかない」「写真が不自然」という目印も、弱くなっています。
④ 確認:人とAIを組み合わせて信用させる
今回の報告では、AI人格と実在の人々が同じ候補一覧に混在していました。人間との通話やSNSでの交流ができても、それだけでほかのプロフィールやアプリの運営まで信用できるとは限りません。
ここまで読むと、「もう何を信じればいいの?」と不安になりますよね。そこで、会話の見た目に加え、相手がどんな行動や支払いを求めているかに目を向けましょう。
AIかどうかより、送金や課金への誘導に注目する
特に注意したいのは、関係を深めたあとで送金や投資、課金を求められる流れです。
相手がAIか人間かを確かめきれなくても、支払いの要求に応じる前に立ち止まることはできます。個人情報やアカウントを狙う誘いにも注意が必要です。
形はさまざまです。
- 投資・暗号資産:「一緒に将来の資産を作ろう」「僕が使っている取引アプリを教えるね」
- 立て替え・借金:「海外から荷物を送るのに関税が必要」「家族が入院した」
- 課金:「このアプリのコインを買えば、もっと話せる」「有料の通話機能で話そう」
- ギフトカード:「番号だけ教えてくれればいい」
最後の「課金」は見落としがちですが、今回の海外事件はまさにこの形でした。ただし、正規サービスの月額料金や有料機能があることだけで、詐欺とは判断できません。料金表示や運営実態が不明なまま、相手に支払いを繰り返し迫られる状況に注意しましょう。
実際のやり取りは、たとえばこんな形で始まります。
やさしい言葉、将来の話、そして「少額で大丈夫」。このように投資先への入金を勧められたら、相手が人間でもAIでも、その場で支払いを決めずに相談してください。
お金の話が出た瞬間に何が起きているのかは、こちらの記事で詳しく書いています。
👉 マッチングアプリで「お金の話」が出たら、その恋は終わりです
AI時代に確認したい7つの注意サイン

ここでは、やり取りを立ち止まって確認するための7つの注意サインを紹介します。AIや詐欺を判定する検査ではなく、当てはまる数で結論を出すものでもありません。相手の行動や要求を合わせて考え、迷ったら第三者に相談してください。
チェック1:返信が早すぎる・完璧すぎる
いつ連絡してもすぐに返事が来る、返信がいつも定型的に感じられるなど、やり取りに違和感を覚えることがあります。
ただし、生活時間や文章の書き方には個人差があります。返信の速さや誤字の少なさだけで、相手をAIや詐欺と決めつけないことが大切です。
チェック2:日常の話があいまいで、説明が変わる
話していた仕事や住まい、日々の予定の説明が何度も変わるなど、会話のつじつまに注目します。
- 「今日のお昼、何食べました?」
- 「そっちは今日、雨でした?」
- 「最寄り駅の近くに、よく行くお店あります?」
こうした質問への答えが毎回変わる場合は、説明を急いで信じないようにしましょう。ただし、日常の話を具体的に答えられたことも、相手の身元の証明にはなりません。
チェック3:写真や通話を避け、確認が進まない
写真やビデオ通話をお願いしても、理由が毎回変わり、相手を知るための確認が進まないことがあります。
一方で、写真や通話をためらう理由は人それぞれです。無理に要求したり、拒否されたことだけで詐欺と断定したりしないようにしましょう。
通話できたり、指定した動きに応じたりしても、安全が保証されるわけではありません。確認が進まないまま、お金や個人情報だけを求められていないかを見てください。
チェック4:写真が「きれいすぎる」
モデルのような写真ばかり、背景がぼやけていて場所がわからない、どの写真も同じような角度——。
スマホのGoogleレンズなどで画像検索をすると、別人の名前で出てきたり、同じ顔が複数のサイトで使われていたりすることがあります。AIで作った写真は検索で見つからないこともあるので、「出てこなかったから本物」とは限りません。
チェック5:すぐにLINEなど外部の連絡手段へ移りたがる
運営の監視や通報機能があるアプリでも、外部の連絡手段に移ると、運営がやり取りを把握しにくくなります。
マッチングして数日で「アプリはあまり開かないから、LINEで話そう」と誘ってくる相手は、監視の目から外れたがっている可能性があります。
チェック6:課金・有料機能をしつこく促す
「このポイントを買えば、もっと長く話せるよ」「有料のビデオ機能で会おう」。
有料機能があることだけで詐欺とは言えません。ただし、運営会社や料金の条件がわからないまま、相手から追加購入を何度も迫られる場合は支払いを止め、188などに相談しましょう。
チェック7:送金・投資への入金・立て替えを求められる
特に重く受け止めたいのは、あなたのお金を動かすよう具体的に求められたときです。
「紹介した投資先に入金して」「費用を立て替えて」「ギフトカードの番号を教えて」などの要求があれば、送金せずに警察や消費生活センターへ相談してください。安全に残せる範囲でメッセージや送金先の記録を保存し、アプリ運営への通報やブロックを行いましょう。
やってはいけない「4つの対処」
「怪しいかも」と思ったとき、ついやってしまいがちな対処があります。どれも逆効果なので、覚えておいてください。
✕「AIですか?」と本人に聞いて安心する
相手が詐欺なら、「違うよ、ちゃんと人間だよ(笑)」と答えるだけです。本人の答えは何の証明にもなりません。
✕ 本人確認のつもりで、自分の身分証を送る
「お互い本物だと証明しよう」と言われて、運転免許証やマイナンバーカードの写真を送るのは危険です。あなたの個人情報が、別の詐欺に使われるおそれがあります。
✕ 言われたとおりに投資アプリ・暗号資産アプリを入れる
相手が紹介する「取引アプリ」や「投資サイト」は、画面上で利益が増えているように見せかけるだけの偽物であることが多いです。最初に少額の利益が出金できても、それは信用させるための「エサ」です。
✕ 「少しだけなら」と試しに送る
金額の大小は関係ありません。少額の支払いをきっかけに、さらに大きな入金を求められることがあります。試すための送金も控え、先に相談しましょう。
もし「お金を送ってしまった」「送りそう」なときは
「詐欺かもしれない。でも、まだ確信がない」。その段階でも相談できます。追加の送金をいったん止めて、今の状況を相談窓口に話してください。うまく説明できなくても、恥ずかしく感じても、一人で抱える必要はありません。
身の危険が迫っているなど、緊急の事件・事故は110番へ。
緊急ではない詐欺の相談は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署へ連絡してください。警察庁の案内
詐欺かもしれない・被害を相談したい → #9110
警察相談専用電話
#9110(シャープ・きゅう・いち・いち・まる)
「投資アプリに誘われた」「会うための費用を求められた」「送金後に連絡が取れない」など、詐欺が疑われるときの相談先です。発信地を管轄する都道府県警察の総合窓口につながります。
- 受付の目安:平日8:30〜17:15。都道府県警察によって異なり、夜間・土日祝日は当直や音声案内などで対応します。
- 通話料:通常の通話料金がかかります。
- つながらないとき:一部のIP電話やダイヤル回線では利用できません。各都道府県警察の相談窓口番号一覧(PDF)から一般電話番号を確認してください。
案内:政府広報「防犯・#9110」/金融庁の相談先・受付時間案内/警視庁の通話料案内
課金・契約・解約のトラブルも相談したい → 188
消費者ホットライン
188(いやや!・市外局番なし)
「話すためにポイントを買い続けてしまった」「高額な料金を請求された」「解約や返金について相談したい」ときに。音声案内に従って郵便番号などを入力すると、地域の消費生活センター等の相談窓口を案内されます。
- 受付時間:接続先の窓口によって異なります。土日祝日も国民生活センターなどが相談を補完しますが、年末年始・施設点検日等は除きます。
- 費用:相談自体は無料。相談窓口につながった時点から通話料がかかります。料金は接続前のガイダンスで確認できます。
- 話し中でつながらないとき:国民生活センターのバックアップ相談 03-3446-0999(平日10:00〜16:00)も利用できます。
- 一部のIP電話等で利用できないとき:地域の消費生活センターへ直接連絡してください。
案内:消費者庁「消費者ホットライン」/国民生活センター「出会い系サイトの高額請求」
すでに送金したら、警察と金融機関へすぐ連絡
銀行口座に振り込んだ場合は、警察と「振込先の金融機関」に被害を伝えてください。振込日時・金額・振込先の口座情報を手元に置き、詐欺が疑われることを説明します。自分が利用した銀行にも連絡し、対応できる手続きを確認しましょう。
国内の預金口座への振込みによる被害は、振り込め詐欺救済法による支払の対象になる場合があります。ただし、相手口座の残高などに左右され、返金や全額回復が保証される制度ではありません。詳しい手続きは金融庁の案内と振込先の金融機関で確認してください。
暗号資産で送った場合も、警察と利用した暗号資産交換業者へ相談を。送信日時・数量・送信先アドレス・取引IDなど、わかる範囲の情報を残します。「出金には税金や手数料が必要」と言われても、追加の支払いは止めてください。警察庁の手口解説
相談前に残すものと、最初の伝え方
ブロック・退会・履歴の削除をする前に、可能な範囲で次の記録を保存しましょう。
- 相手の情報:プロフィール、アカウント名・ID、連絡先、紹介されたサイトのURL。
- やり取り:お金を求められたメッセージ、日時がわかるスクリーンショット、残っているチャット履歴。
- 支払いの情報:振込明細、課金履歴、送金日時・金額、銀行口座や暗号資産の送信先。
電話では、こんな伝え方で大丈夫です
「マッチングアプリで知り合った相手から、お金を送るように言われています。詐欺かもしれないので相談したいです。まだ払っていません/○月○日に○万円を振り込みました。やり取りの記録は残っています。」
記録が全部そろうまで、連絡を待つ必要はありません。わかることから伝え、相談員の案内に沿って整理していきましょう。
相談先情報の確認日:2026年9月27日。受付時間・休止情報は各機関の公式案内をご確認ください。
婚活を続けるときに確認したい「アプリの選び方」
ここまで読んで「アプリはもうこわい」と思った方もいるかもしれません。でも、マッチングアプリそのものが悪いわけではありません。不安があるときは、いったん利用を休むことも選択肢です。
利用する場合は、知名度だけで判断せず、運営や安全対策を確認しましょう。比較するときのポイントは次の4つです。
- 運営会社が明確——会社名・所在地がはっきりしていて、運営実績が長い
- 年齢確認・本人確認の内容——どの書類や方法で何を確認しているかを確認する。年齢確認と本人確認は同じではありません
- 監視・通報・ブロックの体制——受付時間や対応方針、不審な相手を報告する方法を確認する
- 届出などの事業者情報——対象サービスの届出番号や問い合わせ先を確認する。届出があることだけで安全が保証されるわけではありません
40代の婚活で利用するアプリを比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
👉 【2026年最新】40代におすすめのマッチングアプリランキング
再婚や子育て中の婚活を考える方には、マリッシュも比較候補の一つです。公式サイトでは、身分証による年齢確認、24時間365日のサポート・監視体制、シングルマザーや再婚者への理解を示す「リボンマーク」を案内しています。これらの仕組みも、個々の相手の安全性を保証するものではありません。公式の取り組みを確認する
確認方法・料金・利用条件は公式サイトでご確認ください
どのアプリを使う場合でも、注意サインを知り、相手に求められた送金や投資への入金を急がないことが大切です。正規サービスの利用料金と、相手個人への送金要求は分けて考えましょう。
まとめ|相手が人間でもAIでも、守るルールは同じ
AIが悪用される事例もある今、会話や見た目だけで判断せず、相手の要求や運営の実態を確認することが大切です。
- 自然な日本語・きれいな写真・ビデオ通話だけで、相手の身元や目的を確かめきれるとは限らない
- 令和7年の被害額は546.4億円、認知件数の75.6%が40〜60代
- 送金・投資への入金・不自然な課金要求があれば、その場で支払いを決めない
- 「7つの注意サイン」は判定テストではない。迷ったら支払う前に相談する
- 迷ったら#9110か188へ
毎晩のやさしいメッセージがうれしいのは、あなたが誠実に、本気で出会いを探しているからです。その誠実さは、決して弱点ではありません。
相手から送金や投資への入金を求められたら、いったん立ち止まり、第三者に相談する。その習慣は、被害を防ぐための大切な支えになります。もし被害に気づいても自分を責めず、相談窓口を頼ってください。
どうか安全に、そして堂々と、あなたの婚活を続けてください。
📚 あわせて読みたい
【参考】警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日)/Anthropic「Detecting and countering misuse of AI: September 2026」(GTG-15001)

